2. ハーフNDフィルター

ハーフNDフィルターとは?

ハーフNDフィルターとは、NDフィルターにより減光される部分と透明な部分、そしてその境目のグラデーションになっている部分からなります。この種のフィルターは空が明るく地面が暗いシーンなどで、空だけ暗くて、明るさの差を調節したい場合などに使用します。人間の目はとても優秀で、逆光の状況など、かなり明暗差のあるシーンでも問題なく見ることができますが、カメラの場合は白とびや黒つぶれなどの問題が起こってしまいます。ハーフNDフィルターを使うことで、明るすぎる部分を遮光したバランスの良い写真を、ワンショットで撮ることが可能になります。

ハーフNDフィルターの濃度

ハーフNDフィルターの遮光性能は、NDフィルターと同じ表記で記されます。注意すべき点は、表記されている遮光性能はハーフNDフィルターの一番濃い部分(遮光性能が高い部分)を示す数字だということです。通常、ハーフNDフィルターの一番濃い部分は、フィルターホルダーに装着した際に一番上にくる部分になります。しかし、ハーフNDフィルターの種類によっては他の部分が一番暗くなるものもあります。

ハーフNDフィルターの種類

ソフトグラデーション

暗い部分と透明な部分の間の、ゆるやかなグラデーションが特徴。前景と空の間に突起物等が写り込むような場合などに使用します。たとえば、山脈や岩などが地平線や水平線の上に配置されるような構図です。通常ソフトグラデーションは、太陽などの光源に直接向けないで使用されます。

(左)フィルター非使用 (右) NiSi CPL + Soft Nano IR GND 8(0.9) + IR ND 1000(3.0) / Photographer : Eric Rousset

ハードグラデーション

暗い部分と透明な部分の間のグラデーションが短いタイプです。地平線や水平線の上に突起物が無いような構図で使用されます。ソフトグラデーションと違い、ハードグラデーションは太陽などの光源に向けて直接使用されることもあります。光源を構図に入れない場合でも、とても特徴的な空を描き出します。水平線や地平線の上に突起物があるなど、ラインが直線でないシーンには適していません。

(左)フィルター非使用 (右) NiSi Hard Nano IR GND 8(0.9) / Photographer : Solli Kanani

ミディアムグラデーション

ソフトグラデーションとハードグラデーションの中間的なタイプ。高い汎用性を持ち、シチュエーションを選ばずに使用できます。

(左)フィルター非使用 (右) NiSi Medium Nano IR GND 8(0.9) + CPL / Photographer : Duarte Sol Duarte Sol

リバースグラデーション

ハードグラデーションと似ていますが、フィルターの中央付近が一番暗くなります。太陽などの光源が水平線の上に来た場合などに使用すると、一番明るい部分を効果的に減光してくれます。

(左)フィルター非使用 (右) NiSi Reverse Nano IR GND 8(0.9) + CPL / Photographer : Duarte Sol

ホライゾングラデーション

黒い遮光部分が線状に施され、グラデーション部分は少ししかありません。太陽などの光源が水平線の真上にあるようなシーンの撮影に特化したフィルターです。ハードグラデーションやリバースグラデーションを補完する目的で使用すると効果的です。ND8のミディアムグラデーションフィルターと一緒に使用すると、非常に明暗差が激しいシーンをワンショットで撮影できます。

ハーフNDフィルターの選び方

ND4(2段減光)

減光効果がわずかなので、通常は太陽などの光源を直接入れないシーンで使用されます。空に漂う雲や霧などが光で明るくなっているときなどに使うと効果的です。直接光源に向けて使用する場合には減光効果が不十分です。

ND8(3段減光)

初心者にとってもっとも使いやすいタイプです。ND4よりもよりはっきりとした効果が期待でき、たとえば太陽が雲間から少しだけ現れ、雲の色を変化させつつも直接光はさほどない、といった場合に最適です。

ND16(4段減光)

雲のないクリアな空などで使用。ソフトグラデーションは通常太陽に向けて使用しないと書きましたが、例外もあり、その際はこのタイプを使います。ND16のハードグラデーションフィルターは、太陽を直接とらえるようなシチュエーションで使います。ただし、前景が不自然に明るくなってしまう場合には、撮影後の現像で調整するか、ソフトグラデーションを上下逆にして重ねて使用することで解消できます。太陽などの光源が含まれないシーンではあまり使用しません。

ホライゾングラデーションはND16(4段減光)タイプになります。

ND/ハーフNDフィルターの効果的な使い方

ご使用のレンズに適したフィルターホルダーおよびアダプターリングを忘れずに持っていきましょう。

CPLフィルターを使用する場合はフィルターホルダーを付ける前に装着しておきましょう。

フィルターホルダーはずれたりしないようにしっかりと装着しましょう。

濃いNDフィルターを使用する前に構図をしっかりと決めておきましょう。一度濃いNDフィルターを装着するとファインダー越しに構図を確認することができなくなってしまいます。また、ピントもNDを付ける前にしっかり合わせて、オートフォーカスをオフにしておきましょう。

ハーフNDフィルターを使用する場合、暗くなる部分と透明の部分の境界が適切な位置にくるように注意しましょう。ライブビューを使用すると適切な位置を判断するのが容易になります。ハードグラデーションを使用する場合、ソフトグラデーションよりも慎重な作業が要求されます。

NDフィルターとハーフNDフィルターを組み合わせて明暗差の激しいシーンを効果的に撮影することができます。その際はハーフNDフィルターを外側のスロットに差し込んで使用してください。

汚れや水滴などがフィルターに付着しないように注意しましょう。これは海辺や滝のそばなどで撮影する際にとても重要です。

撮影が終わったらフィルターを掃除して安全な場所に保管しましょう。フィルターはデリケートなので傷などがつかないように注意する必要があります。ハードケースを使用すると、フィルターに傷がつく可能性を低く抑えることができます。