1. NDフィルター

NDフィルターって何?

NDフィルターは黒い色をしています。NDフィルターを付けるとレンズに入ってくる光が減るので、シャッタースピードを長くすることができ、長秒露光特有の面白い効果を得ることができます。NDフィルターにもさまざまなタイプがあり色が濃いものほど遮光性が強くシャッタースピードを遅くする効果も大きくなります。

NDフィルターの遮光性能

NDフィルターの遮光性の強さは数字で表されます。表記には2通りの方法がありますが、日本で一般的に言われる表記の場合は「n分の1」の明るさになることを示します。たとえばND8ならば1/8の明るさ、つまり3段暗くなることを示します。海外では0.3を1段の遮光性能として表記する方法もメジャーです。また何段暗くなるのかを直接表現して「10stopNDfilter」などと表記することもあります。その場合は2の10乗ですからND1024に相当します。ハーフNDの場合も表記は同様です。

光学濃度 (OD値) 透過率
ND2 0.3 1Stop 50%
ND4 0.6 2Stop 25%
ND8 0.9 3Stop 12.50%
ND16 1.2 4Stop 6.25%
ND32 1.5 5Stop 3.12%
ND64 1.8 6Stop 1.56%
ND128 2.1 7Stop 0.78%
ND256 2.4 8Stop 0.39%
ND500 2.7 9Stop 0.20%
ND1000 3 10Stop 0.10%
ND2000 3.3 11Stop 0.01%
ND32000 4.5 15Stop 0.00%
ND1000K 6 20Stop 0.00%

NDフィルターの選び方

撮影したいシーンに最も適したシャッタースピードを得るためにNDフィルタ ーを選択します。数字の違うフィルターを2つ以上持っておくとよいでしょう。 たとえばND8とND1000があればISOや絞りと組み合わせることで様々なシ ーンが撮れます。

ND8

滝や渓流の撮影では3段(ND8)前後の減光でシャッタースピードを0.3秒から2秒程度にして、スムーズな水の流れを表現することができます。

(左)フィルター非使用 (右)NiSi CPL + IR ND 8(0.9)  / Photographer : Michael Lauer

ND64

黄昏時にND64(6段の減光)を使用して1分間から2分間程度の長秒露光で撮影すると、スムーズな水や雲の流れを表現でき、印象的なイメージを作り出すことができます。ただし、この時間帯は明るさが刻一刻と変化するのである程度の練習が必要でしょう。

(左)フィルター非使用 (右)NiSi CPL + IR ND 64(1.8) /  Photographer : Ole Henrik Skjelstad

ND1000

黄昏時を除いた日中の撮影ではND1000(10段)を使用することで雲や水の流れを捕らえた写真が可能になります。 黄昏時に使用すると分単位のかなり極端な超秒露光が可能になります。

(左)フィルター非使用  (右)NiSi CPL + IR ND 1000(3.0)  / Photographer : Beno Saradzic

ND32000

15段を減光するフィルター(ND32000)を使用すると太陽が照りつける日中でも分単位の露光が可能になります。 目で見える世界と違ったある面、超現実的な世界観を表現することも可能です。

(左)フィルター非使用  (右)NiSi CPL + IR ND 32000(4.5) / Photographer : Albert Dros

シャッタースピードの計算方法

1段減光するとシャッタースピードが倍になります。
たとえば、NDフィルターなしで1秒間のシャッタースピードのシーンを撮影する場合に、3段の減光効果があるND8を使用すると8秒のシャッタースピードで同じ露出になります。計算式で示すと1×23=8ですね。日本で販売されているNDフィルターの場合はNDxの部分のxを掛けてやればよいので計算が楽です。
たとえば6段減光したい場合はND64を使用しますから、1×64秒で1分4秒のシャッタースピードで同じ露出になります。
計算が複雑になってしまう場合は計算機やアプリを使うのも有効です。「NiSiFilters-ExposureCalculator」を使えば簡単に適切なシャッタースピードを計算することができます。UIは英語と中国語ですが、簡単な内容なので問題ないでしょう。GooglePlayストアまたはiOSAppStoreから無料でダウンロードできます。

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「光の漏れ」が写真をダメにする現象を防ぐ

NDフィルターを使うとレンズの正面から入る光が大幅に減るので、通常ならば問題にならない程度の微細な光が光学ファインダーやフィルターの裏の隙間から侵入しただけでも写真を台無しにしてしまいます。この問題はND64以上の濃いNDフィルターを使用した際に顕著に表れます。

NiSiの角型のNDフィルターを使う場合はレンズ側の一番手前のスロットに装着すると背面からの光の侵入を防ぐことができます。

一眼レフ機を使用している場合は光学ファインダーからの光の侵入を防ぐ必要があります。シャッター付の機種の場合はシャッターを閉めるだけで大丈夫ですが、シャッターがない機種の場合はテープ等で塞ぐ必要があります。

更にレンズ前面のフィルター以外の部分をすべて遮光性の布などで覆ってしまうと完璧でしょう。