< 審査結果発表! > NiSiフォトコンテスト for CP+ 2019 「美しいニッポン」

日本最大規模の写真イベント「CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2019」で展示を行う当コンテスト。2018年11月より募集を開始し、合計1,000点余のご応募をいただきました。本当にありがとうございました。審査は、作品のみに対して各審査員が投票する形式を採用し、トータルの得票数によって各賞を選出。1位から3位の入賞者6作品6名の方と、佳作27作品を、特別審査員アキラ・タカウエさん、TAKASHIさん、谷田洋史さんに選定していただきました。

> コンテスト募集要項

特別審査員総評

「主題・コンセプトがきっちりと浮き出てくる写真的語句が内挿され、閲覧者の心を打つ作品群が多かった」アキラ・タカウエ

 

この度は特別審査員として審査に参加させていただき、緊張感を持ちながら、本当に感動と楽しさを感じながら拝見させていただきました。まさに「美しいニッポン」を象徴する素晴らしい作品が多数応募され、応募された全ての写真家の皆様に対して深い敬服の念を感じざるを得ません。

この日本はその面積自体は決して広大なものではありませんが、南北に細長く、海岸線は極めて長く、そして独特な四季が存在するため、極め多くの自然風景を独特な自然条件の下で感じることが可能となります。更に、近代から現代に至るまで、独特の文化と欧米文化が融合そして形成され世界にも類をみない、東洋文化と西洋文化が独自の形で文化が発展し、極めて魅力的な都市および生活風土が形成されています。

このような背景がある中、自然風景、動植物、静物、都市風景そしてストリート等、このニッポンを象徴する作品コンセプトが多岐に渡る所以でしょう。この中において、やはり撮影技術は当然のことですが、やはり主題そしてコンセプトがきっちりと浮き出てくる、いわゆる本コンテストの主旨に沿った写真的語句が内挿され閲覧者の心を打つ作品群が多く見られ、それらが非常にレベルの高い作品であったことが審査の印象として強烈に残っております。

「何度も見直して残ったのは、どこかユニークであることで記憶に残る作品」TAKASHI

今回の応募作品を拝見して先ず感じたのは皆さんのレベルがすごく高くなっていることです。それだけに選考には随分苦労しました。何度も見直して残ったのは、どこかユニークであることで記憶に残る作品です。私にとっても大いに刺激をいただいたフォトコンテストでした。

「フィルターワークによる表現の幅の広さに、可能性を感じる機会になった」谷田洋史

フィルターの使用有無を問わず実に様々な種類の応募があり、実に素晴らしい瞬間を切り取った作品が多く、総じてとても丁寧に撮影(及びポストプロダクション)をされている作品が多かったのも今回のコンテストの特徴だと感じました。
中には「これはどうやって撮ったのだろう」と考えさせられるような作品もあり、フィルターワークにより表現の幅の広さ、というものにより可能性を感じる機会ともなりました。

入賞作品 発表

第1位:「Somewhere Only We Know」 村田悟

Canon TS-E 24mm F3.5LII,  ISO 80, F8, 120秒, ND16

講評:谷田洋史

長時間露光をすることにより、鳥居という被写体の神聖な印象がより一層強調された印象を受けました。波がフラットになっていることに加え、アスペクト比をほぼシネマスコープサイズにしたことで、中央の被写体以外には何もないことをより印象付け、その場が無音になってしまったのではないだろうかと思わせるような静寂を感じました。鳥居と灯篭がぼんやりとリフレクションしているのもとても良いアクセントになっています。

第2位:「陰と陽」 渡邉謙

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR, ISO 50, F22,  30秒, ND 500

講評:TAKASHI

富士山から発せられた波動が空にぶつかって巨大な吊るし雲が頭上を脈動する! そんな迫力が画面いっぱいに広がっています。 色を整理してシンプルなトーンで構成したことでユニークさが増し強く記憶に残りました。こんなシーンにはなかなか出会えませんが、それを印象的に表現された素敵な作品に、富士山写真家の私としても強く惹かれました。

第2位:「しっとり落ち葉」 井関大地

SIGMA 10-20mm F4-5.6 EX DC HSM, ISO 100, F13, 1秒, CPLフィルター

講評:谷田洋史

左右の苔むした岩から奥の滝へと向かう視線誘導をとても上手く生かした構図の作り方となっています。NDフィルターも滝の質感を表現するのに丁度良いシャッタースピードを計算して濃度選択をされているのだと思います、絶妙です。秋の撮影だと思いますが、緑色の苔の補色関係にある赤い落ち葉を組み合わせることにより、色調のバランスも取れており視線誘導のフックにもなっている。撮影・編集もとても丁寧に仕上げられており、作者が作品名に付けている「しっとり」感がしっかり伝わってくる作品です。

第3位:「Dignity」 池田昌広

Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA, ISO 100, F10, 112秒, CPL, ND64, REVRSE 0.9(ND8)

講評:アキラ・タカウエ

勇壮な海岸線に聳え立つ大地に大気がぶつかり雲そして霧を表現する過程を技術的にも高度な表現手法である斜陽時における長時間露光で具体的に表現されているとともに、その壮大なスケール感を中景に在る人工構造物の孤独感を内挿することによりミニマミズムの要素も取り入れ、作品全体のスケールが強調されている。まさに長時間露光撮影における時空の流れを縦のレイヤーにて表現したコンセプトおよび主題設定が完全成立した作品であるとともに、構図および大気の流れを表現した位置設定も秀逸であり感嘆の域を感じざるを得ない。

第3位:「夜明けのモルゲンロート」 岡本 大志

EF70-200mm F2.8L IS II USM, ISO 100,  F8,  1/20秒

講評:アキラ・タカウエ

モルゲンロートが表現されている作品。まさにモルゲンロートは無数の作品があり多くの写真家が撮影を試みている非常に魅力的な自然風景を有するロケーション。このモルゲンロートにおいて敢えて既視的なロケーションと構図を狙っていない。夜明けの斜陽とその色彩的グラデーションと淡いコントラストを遠景に見える勇壮な山岳地帯で表現し、次に斜陽がまだかからない当該地域の植生が判別される緩い起伏遅滞を中景に配置し、更に、その中景の植生をマクロスコピックに表現した雪化粧された植生群を近景にここちよいバランスで配置しており、遠中近景の3つのバランスで当該ロケーションの自然風景を見事に表現している。自然条件に関する科学的価値のみならず、構図設定とそのバランス、および色彩調整においても全て作品として完全成立しており、冬の山岳地の写真としてまさに代表的作品の一つとなりえると考える。

第3位:「朱の刻」小川智教

Canon EF 24-105mm f/4L IS, ISO 100, F7.1, 1/15秒, ハーフNDミディアムグラデーション

講評:TAKASHI

朝日(でしょうか?)が照らして輝く紅葉のリフレクションが立体的に浮き上がって見えるかのような見事な瞬間! これだけでも十分に見応えがある場面ですが、最近ではそれだけだと弱い。手前の(おそらく)枯れ木が好みを分けるかと思いまが、この枯れ木の存在が美しい作品を私の記憶に深く刻み付けてくれました。しかも計算されたのでしょうか、暖色の紅葉に対して枯れ木が寒色であることがより印象を強めています。とても魅力的です。

入賞作品一覧

  • 第1位:「Somewhere Only We Know」 村田悟
  • 第2位:「陰と陽」 渡邉謙
  • 第2位:「しっとり落ち葉」 井関大地
  • 第3位:「Dignity」 池田昌広
  • 第3位:「夜明けのモルゲンロート」 岡本 大志
  • 第3位:「朱の刻」小川智教

入賞者の方には以下の賞品を進呈します。

  • 優勝:1名様 :5万円分クーポン
  • 第2位:2名様: 3万円分クーポン
  • 第3位:3名様 : 1万円分クーポン

また、作品は、2月28(木)から開催されるCP+2019会場のNiSiブース内に展示します。ご来場の方はぜひご覧ください。

  • 「泡沫」 久保 陽平
  • 「Milkyway of the Summit」 Atsushi Ogawa
  • 「アイスフィールド」 KG Photography
  • 「fantasy」 waichi
  • 「光降る白川郷」 伊藤正樹
  • 「田園」 飯盛隆志
  • 「10-min」 角 隆司
  • 「カメラを避ける屋形船」 佐々木 圭
  • 「冬の朝の室蘭」 塩谷伸之
  • 「夜明けの飛翔」 阿部良平
  • 「厳冬の灯」 木全雅裕
  • 「燃ゆ朝」 Hasan Jakaria
  • 「無題」 桶田雅威
  • 「reflection」 井上裕太郎
  • 「Good day mountain.」 Misaki Nagao
  • 「A wetland river」 岩田 庄悟
  • 「TIME」 小松山勝正
  • 「足跡」 小助川卓也
  • 「yellow dancer」 Yuta Ooseto
  • 「Serene」 斉藤晃
  • 「カメラを避ける屋形船」 佐々木 圭
  • 「Colored carp in late autumn」 大坪邦仁
  • 「花貫渓谷」 山村 周平
  • 「冬富士」 進藤弘隆
  • 「零下のキャンバス」 小林由枝
  • 「jewelry ice」 三浦奈津美
  • 「夜明けの旅立ち」 永井尭範