通常GNDフィルターは、画面内の空などの明るい部分と、前景の暗い部分の明暗差を整え、画面内の露出を最適化するために使用します。しかし、フィルターのグラデーション部分が直線であるため、ほぼ直線で分割された2つのエリアの明暗差の調整のみが可能です。そのため、複雑な山の稜線や、空と空を反射する湖など、複数箇所が入り組んだ明暗差をカバーすることは、1枚のGNDフィルターでは困難でした。そのようなシーンでも、本製品を使用することで、GNDフィルターを組み合わせて露出を最適化することができます。
フィルター未使用の写真(画面左)では、空と湖は明るすぎ、前景の木と地面が暗くなっています。また、太陽が画面の外左側にあるために、左上から右下にかけて、明→暗へ強い階調が目立ちます。そこで、(画面右)前景に露出を合わせ、GNDフィルターの1枚目で上部の空から湖へかけての光量を調整。さらに2枚目のフィルターで、左上から差す太陽光を調節しました(下記フィルターポジション写真参照)。また、CPLにより反射を抑え、空の青、前景もより鮮やかに本来の色が表現されています。