ブラックミスト1/2を自然光で使う3つのポイント
ブラックミスト1/2は、柔らかい描写の中に立体感がしっかり残るのが特長です。被写体に回る柔らかい光を拾って、フィルム写真のような暖かい雰囲気に。包み込むような光が肌をきめ細やかに描き出します。自然光下に最も適した1/2を、より効果的に使うコツをまとめました。
写真:高桑正義
POINT1:アンダー気味の露出でシックにまとめる
ブラックミスト1/2は、ややアンダー気味の落ち着いた露出で撮影することで、しっとりとしたアンニュイな雰囲気に仕上がります。
ブラックミスト1/2使用/ FUJIFILM X-T4, レンズ:XF50mmF1.0 R WR, 50mm(35mm判換算75mm相当), 1/500秒, F1, ISO 160, WB: 5500K
ブラックミストなし
ブラックミスト1/2使用
ブラックミストを使用すると、肌に当たる光のコントラストが下がり、階調が細やかになるので肌が美しく見えます。間接光の場合、ブラックミスト1/8だと効果が見えにくいので、濃度の濃い1/2がベストです。
ブラックミスト1/2+ハイキー
ブラックミスト1/2+ローキー
両方ともブラックミストを使用し、左は明るめのハイキー露出、右は暗めのローキー露出で撮影しました。ハイキーにすると、暗い部分が持ち上がってコントラストが下がる印象です。せっかくの暗部の階調も失われ気味。表現の方向性や好みにもよりますが、ローキーで仕上げると、ブラックミストのしっとりとした効果が活きて、秋の夕暮れにもマッチします。
POINT2:絞りを開ける場合は光の量を控えめに
ブラックミストの光の拡散効果は、絞ると小さく、開けると大きく出ます。玉ぼけをたくさん画面内に入れるとうるさくなり過ぎるので、少しだけ取り入れるのがポイント。
ブラックミスト1/2使用FUJIFILM X-T4, レンズ:XF50mmF1.0 R WR, 50mm(35mm判換算75mm相当), 1/250秒, F1, ISO 160, WB:5500K
ブラックミストなし
ブラックミスト1/2使用
左はブラックミストなし、右はブラックミスト1/2を使用。ブラックミストなしで撮った方は、玉ぼけが作るハイライトに視線が奪われてしまいますが、ブラックミストをつけることでその存在感が和らぎ、自然と被写体に視線が誘導されます。ブラックミスト1/2がディフィーザーとして働き、ミストのような光が画面全体を覆うことで統一感が出てきます。
POINT3: 逆光では太陽を画面から外す
ブラックミストは順光よりも逆光で撮影したほうが大きな光の拡散効果が得られます。ただし、強い光源を入れるとハレーションが出過ぎて面全体が白っぽくなるので、画面から外すのがポイントです。光源が外れていれば芯のある拡散光になります。
ブラックミスト1/2使用/空を入れる
ブラックミスト1/2使用/空を外す
両方とも同じ場所からブラックミスト1/2を使用して撮影したカットです。光の拡散効果が強い1/2は、弱い光に対して使うと程よい効果が得られるので、空を入れず太陽の間接光が回っている右のカットのほうが自然な仕上がりになります。