グローミストフィルターで星座を撮る

グローミストフィルターを使うことで、夜空に散らばる星の光をやわらかく滲ませ、星座の形や印象を際立たせることができます。とくに澄んだ冬の星空は細かな星が無数に写り込みやすく、主役にしたい星座が画面の中に埋もれてしまいがちです。今回は、グローミストフィルターを使ってオリオン座の存在感を引き出した作例をご紹介します。
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撮影したのは12月。千葉の海辺にあるキャンプ場です。山の稜線から昇ってくるオリオン座を主役として見せたいと考えました。しかしフィルターをつけずに撮影すると、オリオン座を構成する星々が背景の細かい星々に溶け込み、目立ちません。そこでグローミストフィルターを装着しました。グローミストフィルターは、星の芯を残したまま、周囲の光だけをやわらかく拡散させます。そのため、星の煌めきを損なうことなく、視覚的な存在感を高めることができます。結果として、オリオン座を形づくる星々が明確に浮かび上がり、夜空をしっかりと彩る一枚に仕上がりました。また、光が拡散されることで、オレンジ色のベテルギウスと、青白いリゲルの色合いもはっきりと表現されています。
ONE POINT
地上の要素は撮影時に光を足す
手前の木をアクセントとして入れたかったものの、長時間露光にしても地上部分は暗く、ほとんど写りません。そこで撮影時に、スマホのライトで約3秒ほど照らしています。後から編集で地上だけを明るく持ち上げると、ノイズが目立ったり、空との輝度差に違和感が生じやすくなります。星空と地上を自然につなぐためにも、必要な部分は撮影時に最小限の光を足しておくのがおすすめです。
