光害カットフィルター(ナチュラルナイト)は、人工灯による光害をカットし夜景を美しく撮影するためのフィルターです。水銀灯やナトリウム灯により引き起こされるオレンジ色や黄色の暖色系の色を抑える効果があります。都市夜景や、町の近郊での星景撮影において、街明かりによる光害を取除きたい場合に最適です。1段〜1.5段程度の減光効果があります。
光学特性評価試験 結果報告書より一部転載します。報告書の詳細は、下記のボタンからご覧いただけます。
「セリック株式会社製・人工太陽照明灯( Standard Diffusing Reflector )型式:XC-100」の分光放射輝度
工太陽照明灯XC-100は、自然太陽光に近いブロードな分光分布を示すことが分かる。
「 ナチュラルナイトフィルター 」を通過した光の分光放射輝度
ナチュラルナイトフィルターは、510nmから540nmおよび 570nmから600nm付近の波長域の光に対して効果的に抑制し、特に 570nmから600nm付近の波長域の光に対しては、極めて高い遮断性能を有することが分かる。
考察
日本国内では、夜間の道路照明として、低圧ナトリウム灯と水銀灯が広く用いられている。低圧ナトリウム灯はD線と呼ばれる約589nmの輝線スペクトルであり、それ以外の波長成分は殆ど含まれていないため、発光色がオレンジ色に見える特徴があるが、ナチュラルナイトフィルターは、この低圧ナトリウム灯の光に対して極めて高い遮断性能が認められる。また水銀灯の輝線スペクトルにおいても、一部効果的な抑制効果があると考察する。
尚、ナチュラルナイトフィルターを使用する際の注意点として、510nmから540nmおよび570nmから600nm付近の特定波長域の高い遮断性能により、使用するデジタルカメラによっては、マゼンタ系の色調に色被りする懸念がある。その場合、撮影のときにホワイトバランスを調整するか、もしくは現像の際に色被り補正を用い、適宜適正な色味に調整する必要がある。
1.星景写真で街明かりの影響をなくす
山奥など光の影響が少ない場所で星空撮影をしても、人々が生活している限り、少なからず街明かりや人工光の影響は受けてしまいます。とりわけ雲は街明かりを反射しやすく、色被りをしがちです。人工光をカットするナチュラルナイトフィルターを使うことで、自然な星空の色合いを再現します。
2.夜景を美しい色合いで切り取る
都市夜景はビルや家明かりをはじめ、街灯や信号機、看板などさまざまな光が入り混じっています。とくにナトリウム光のオレンジ色の光は透明感のある都市夜景の妨げになりがちです。ナチュラルカットフィルターでこれらの光を除去します。
3.星景ポートレートを自然な色合いに仕上げる
星空風景と人物を絡めて撮る星景ポートレイト。光害カットフィルターを使うことで光害による星空や人物への色被りを抑えることができます。