PLフィルターで透明感のある炭酸飲料を撮る
飲み物やガラスなどの透き通るものに後ろから光を当て、鮮やかさや透明感を演出したい場面で調整が難しいのが白飛び、ハイライトの処理。メインの被写体やテーブルに余分なハイライトが出てしまい本来の色味が引き出せないことや、被写体が際立たず全体としてぼやけた印象になってしまうことがあります。そんな場面で力になってくれるのがPLフィルターです。
今回は、照明機材を一つのみ使用し、スタジオで自然光のような環境下を再現し撮影してみました。照明機材を使わずに自然光のみの撮影でも同じ効果が得られます。下記に詳しく撮影環境を解説しておりますので参考にしてみてください。
透過光を利用する場面では、カメラと光源の位置が向き合うことになるので必然的に位置が固定されることになります。カメラや光源の位置を調整して被写体や机のハイライトを除去するのが難しい場面です。そんな時にPLフィルターを使い、余分なハイライトを除去することで、メインとなる被写体をより際立たせることができます。
もう一つ注目して欲しいのが被写体である飲み物の明るさが変わっていないこと。PLフィルターを使わずに、露出を下げることでハイライトを抑えようとした場合、メインの被写体も暗くなってしまいますが、PLフィルターを使えば、被写体の明るさを変えずに、ハイライトのみを除去することができます。
そして、PLフィルターは飲食物のシズル感からマットな質感まで調整することもできます。以下はよりわかりやすいように俯瞰の位置から撮影しました。
1枚目はPLフィルターの効果を最大限にし、マットな質感に仕上げてみました。それに対し、2枚目は効果を調節し炭酸水や氷の反射を適度に残すことで艶やシズル感を表現してみました。テーブルフォトのセッティング後、ハイライトが気になる時の最終調整としてPLフィルターを使うこともおすすめです。好みによって調整してみましょう。今回は、以下のようにセッティングして撮影しました。
上記のような完全遮光していない自宅のようなスタジオで比較的明るい環境だったため元の自然光をベースにメインの被写体の後ろからLED(メインライト)を当て、透過光による艶やシズル感を表現しました。LEDに関しては、窓からの太陽光のような役割として使いました。
そして、LEDに関して、太陽光のような硬さを演出したかったため、今回は、光をやわらげるデュフューザーなどを使わずに撮影しました。好みに合わせ、光の硬さが気になる場合は、使ってみましょう。
映像でPLフィルターを活かす
PLフィルターの効果の違いがよりわかりやすいようにPLフィルターを回しながら、映像を撮影しました。ハイライトや表面の反射がどのように変化していくのか注目しながらぜひご覧ください。この効果を活かし、例えば、PLフィルターを回し、ガラスやビニール傘越しの人物を徐々にはっきり写していくなど撮影の幅を広げることができます。下記の記事も合わせてご覧ください。
True Color CPL
偏光膜からコーティングまで全てを一新して色かぶりを解消したPLフィルター。従来の偏光膜は波長域が 400~480nm付近の紫色や青色の光が吸収されてしまいます。青成分がカットされることで、黄緑色の色被りとして写真に現れてしまう課題がありました。新開発の偏光膜は可視光全域における透過・吸収の均一化を徹底的に突き詰め、各波長の透過率(吸収率)の差を極めて小さくすることにより、ニュートラルな色再現にも成功しました。
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